技術資料b)照明用ポールの地際部は腐食しやすいため、基礎を地表に必ず出し、勾配をつけるなど水切り対策を施すことが望ましい。c)輸送、施工又は使用中についたキズは、速やかに補修塗装を実施する。d)照明用ポール基礎のコンクリート骨材中に塩分が含まれていないよう配慮する。■施工および維持管理方法についてa)開放タイプの照明器具では、塩分の付着によるソケット部などの絶縁低下に対する処置を考慮する。b)密閉タイプの照明器具では、ランプ交換、清掃などメンテナンスの際に開閉する部分のパッキンの材質は、耐候性を考慮したものを選定する。c)塩害地域で、かつ重工業地帯と重なる場所は、耐薬品性なども考慮する。d)接合部に使用するボルト類は、溶融亜鉛めっきボルト又はSUS304以上のものを使用する。(3)耐用の限度本来有している器具としての照明機能及び防爆性能が低下し、また、内部の絶縁物構成部分等の劣化も相当進み、安全上照明器具の一斉交換を必要とする年限。器具本体の耐用の限度及び適正交換時期の推奨を表に示す。耐圧防爆構造安全増防爆構造種類適正交換時期15年10年((一社)日本照明工業会ガイド117:2010より抜粋)耐用の限度20年15年250●塩害が予想される地域に設置される照明器具、照明用ポールに対して、適切な防錆処理が施されるよう基本的な使用材料、表面処理および施工、維持管理の要点が下記のように示されています。■耐塩害レベル●耐塩害レベルは、次の2段階とする。a)重耐塩:常時、飛来塩分が高濃度の地域に求められるレベル。b)耐塩:常時、飛来塩分があり、気象条件により高濃度になることのある地域に求められるレベル。それぞれのレベルを適用する地域は、海岸からの距離で単純に線引きできるものではない。飛来塩分は、海岸線の状況(外海、内海、港湾、砂浜など)、海抜高さなどにより複雑な影響を受けるため、地域特性によりレベルを判断せざるを得ない。既存の周辺諸設備の発錆状況などを考慮して、受け渡し当事者間で協議、決定することを推奨する。■施工および維持管理方法についてa)海に隣接した地域で、高架下などの雨水のかからない場所に設置される場合は、付着した塩水飛沫が雨水により洗い流されないため、腐食が促進されることがある。定期的な清掃により塩分の洗い流し作業を実施する。●防爆照明器具の耐用年限は、(一社)日本照明工業会のガイドA110-2014に下記のように示されています。(1)耐用年限危険場所に設置された器具が使用され始めてから、部材の持つ寿命等によって器具が徐々に劣化して不具合が生じ始めたり、不具合を生じる可能性が高くなるまでの試用期間をいい、適正交換時期と耐用の限度とがある。(2)適正交換時期器具の劣化が進み、たとえ防爆性能は維持されても、器具の交換率及び部品交換率が増加し始める段階をいい、この時期以降にさらに増加する故障の可能性を考慮して一斉交換が推奨される時期。●防爆制御機器についても同様に(一社)日本電気制御機器工業会発行の「防爆安全ガイドブック」に示されています。技術資料照明器具の耐塩害について防爆機器の耐用年限について
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